薬剤師の転職理由、実は“お金”じゃなかった – 本音ランキングとその背景

薬剤師

※この記事は筆者の経験と複数の調査データに基づいて構成しています。転職を考えている薬剤師の方に、現実的な判断材料を提供することを目的としています。

転職理由=「お金」じゃないって知ってましたか?

「転職したい理由、やっぱり“給料”が一番でしょ?」そう思っている方に、まずはこのデータをご覧ください。
実は、薬剤師の転職理由で最も多いのは『スキルアップ・キャリアアップ』。一般職のランキングとは明確な違いがあるのです。

ではなぜ、薬剤師は「お金」ではなく「スキル」を理由に転職するのか。その背景を紐解いていきます。

一般職と薬剤師で、転職理由はどう違う?【データ比較】

▶ 一般職の転職理由ランキング(DODAより)

順位転職理由割合
1給与が低い・昇給が見込めない33.6%
2人間関係が悪い/うまくいかない22.7%
3社内の雰囲気が悪い21.1%
4労働時間に不満20.3%
5昇進・キャリアアップが望めない19.6%
6〜10(以下略)

出典:転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査!【doda】

▶ 薬剤師の転職理由ランキング(複数ソースより)

順位転職理由
1スキルアップ・キャリアアップ
2人間関係の悩み
3給与・待遇への不満

出典:

なぜ薬剤師は「スキルアップ」を重視するのか?

薬剤師は国家資格を持つ専門職。そのため、より薬剤師としての職能を極めたいという気持ちが強くなる傾向があります。

特に、

  • 調剤薬局、調剤併設型ドラッグストアでは同じような処方が多く、成長実感が薄い。
  • ドラッグストアではOTCに偏るケースも多く、品出しやレジといった業務も発生する。

こうした背景から、自分が勤めている職場とは違う環境への転職をし、「もっと幅広く薬を扱いたい」、「この診療科の薬に特化した薬局に勤めたい」、「在宅医療の薬剤師としてやりがいを感じたい」、「チーム医療に関わりたい」、「認定・専門薬剤師になりたい」と考える人が多いのです。

人間関係が理由になるのは、薬局ならではの構造にある

薬局は、少人数・固定メンバー制の閉鎖空間であることが多く、人間関係のトラブルが起きやすい環境だと思います。

例えば私自身は、うつ病になって退職した時の職場の状況をまとめてみました。

  • 管理薬剤師とはうまくいっていた。年齢も近く仲良くやってた。
  • しかし、年齢差のある事務スタッフやエリアマネージャーとの関係にストレスを感じていた。
  • 指摘される内容が一方的/理解を得られず、精神的に疲弊していってしまった。

という経験がありました。

このような状況が続けば、「転職して環境を変えたい」と思うのは自然なことです。

給与だけで選ぶと、思わぬ落とし穴も

私もかつて、給与が高いという理由でドラッグストアに転職しました。

転職前の当時勤めていた調剤薬局が当時のコロナ禍の影響で給与改定があり、収入が下がる見込みだったため、当時は転職を決意しました。調剤薬局では在宅医療中心に活動をしており、薬剤師としてのレベルもかなり高まったと思っていたので、年収の交渉も強気にいきました。
その結果、たしかに収入は上がりましたが、その代償として残業・人員不足・業務過多といった現実に直面し、うつ病を発症し退職代行を使って逃げるように退職することになりました。

給与UPだけを基準に選ぶと、かえって心身を壊してしまう可能性もあります。

まとめ:転職を考えるなら、「理由」をはっきりさせよう

私の中では薬剤師に限らず、人が転職する理由は突き詰めると「給与」、「人間」、「環境」だと考えています。ストレートで薬剤師になられた方もいれば、苦労して薬剤師になられた方もいるはずです。今の環境に不満があるからすぐに転職しようと決断する前に、

  • スキルアップしたいのか?
  • 人間関係を変えたいのか?
  • 店舗の異動では解決できないのか?
  • 働き方そのものを変えたいのか?

自分の中で優先順位を明確にすることが、転職成功への第一歩です。

自分に合った働き方、診断してみませんか?

自分の転職理由に合わせて、どんな働き方が合うか診断できる記事も書いてみました。

薬剤師の転職理由ランキングから導く、あなたに合った働き方診断

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